暗くたって1人前。

現代人のノリについていけない一昔前の世界に生きる人間の日々。辛く楽しく、それでも生き抜けたもん勝ち!!

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【物語】ボス猫の昼下がり。

カラスのヤツから、妻のミエコがある人間の男に熱をあげている、と聞いた。
ふん、と俺は鼻で笑ってその場を立ち去ったが、
内心気が気じゃなかった。

俺は長年、ここいらの野良を束ねているボス猫だ。
ミエコは俺がまだ一介のチンピラをやってたころ、
縄張りを見回っていて見つけた、ダンボールに捨てられていた元飼い猫。
白黒の模様が俺と良く似ていて、細長い優雅なシッポを持っている。

お嬢様育ちのミエコには随分とツライ思いをさせてきたが、
ボス猫になってからは餌に困ることもなく、何不自由ない生活をさせてやっていると、
そう自負していたんだ。

それなのに・・・


ミエコの変化は俺だって気づいていた。
いつも上機嫌に微笑み、ウキウキした足取り。
あの優雅なシッポをなびかせて落ち着きなさそうにあちこち走り回ったかと思いきや、
昼寝しながらぽっと頬を赤らめたり。

出会った頃とまったく同じ彼女の反応。
ただ一つ違ったことは、気のない返事。
俺がいくら話しかけてもミエコはどこか上の空だった。



くやしかった。
くやしくてくやしくてどうにかなりそうだった。
ミエコを捨てたのはヤツら人間なのに。
それなのにミエコは俺じゃなくてまた人間の男を選ぶというのか。

若いヤツを二匹ほどミエコにつけてみたが、
1週間経っても2週間経っても、ミエコの行動に問題はなかった。
いつものように散歩して、いつものように昼寝して、
いつものように近所のメス猫どもとおしゃべりをして。

一体全体なんだって言うんだ。
まさか俺の勘違いだって言うのか。



そんなある夜、俺が定期報告会から帰ると、
ミエコが娘のリョウコと楽しそうにニャアニャア鳴いていた。
ところが、俺が帰ってきたのを見るやいなや、二人は口をつぐみ、
何事もなかったかのように一匹は俺の迎え、もう一匹は晩酌の用意を始めた。

警戒して鼻に神経を集中させると、案の定、かすかな人間のにおい。

まさか。。俺がさっきすれ違ったあの人間だというのか。


慌てて外に出た。あちこち探してみたが、もうどこにも人影はなかった。
しかしあのにおい。今度みつけたら白黒つけてやる。
ミエコは絶対に渡さない。

そう思って暗闇をにらむ俺を、
ミエコとリョウコが心配そうに見ていたことに、
俺は気づくはずもなかった。


それから数日経った土曜日の昼下がり。
俺は草むらでバッタ相手に睨みの稽古をしていた。
すっかり集中していたせいで、目の前に現れた少女を連れた男に
不覚にも驚かされてしまった。

そればかりではない。

あの男のにおいだ。。。まさか向こうからやってくるとは。


俺はとっさに警戒態勢をとって、男を睨み付けた。
こいつだ。ミエコの歓心を買っているのはこいつだ。
娘のリョウコの心も奪って、一体俺になんの恨みがあるって言うんだ。

そんな俺の渾身の睨みをものともせず、
やつはミャアミャアとへたくそな鳴き真似をしながら、
不用心にもこっちに近づいてくる。


「今日もあったね、猫ちゃん。あれ?今日は寄ってきてくれないの?」

少し距離をおいたところで立ち止まって、男は俺にしゃべりかけてくる。

「ん?しばらく見ない間に、少し太ったかな?不機嫌そうだね、どうした?」
『違う猫なんじゃないのー、パパ』

遠くで様子を伺っていた少女が男にツッコミを入れる。
妻子持ちか、と思って、彼女の方にも目を配る。

それにしても・・・なんなんだこの違和感。
だいたい、俺がこいつをちゃんと見たのは今日が初めてだ。
なのになんだ、俺を誰と勘違いしてる?

・・・しばしの間を置いて、男は、
「帰ろうか。今日は遊んで欲しくはないみたいだよ」
と少女に言って、立ち去ろうとした。

少女はその言葉をまるで聞かなかったかのように、男の横をすり抜け、
目を輝かせてどんどん俺のほうに近寄ってくる。

ちょ・・・っと待てよそれ以上近づいたら・・・って、なっ!

少女の向こうでミエコとリョウコがくすくす笑いながら俺を見ている!


パッと立ち上がって、俺はいつもの集会場へ一目散にかけていった。
後ろの話し声なんって聞こえないふりをしながら。

「あんまり近づくから、逃げちゃったじゃないか」
『うん…』
『ねぇパパ、あの猫ちゃんシッポがすごく短いんだね』



ふん。
どーせ俺のシッポはないも同然だよこのヤロウ。
【あとがき】

こえ部のために書き下ろしてみた。
50%ノンフィクション。

いろいろ盛り込んでいるんだけど、
手直し必要なところも結構ある。

設定は食えるけど、細かいところは厳しいんだよなぁ。。



そうだね、質問を出すなら、ボス猫がミエコに惚れた理由と、
(この理由はなかなか可愛いと思う)
やっぱり最後のボス猫が駆け出した理由かな。
(ちょっとあいまいだけど、そういうこと)

しかし、ミエコが上機嫌の理由をうまく言葉で表せない自分。。うーむ。
書いたの自分なのにwwwwww
  1. 2009/12/12(土) 17:05:37|
  2. 日常。
  3. | コメント:0

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